A:
いいえ、ソニーの海外営業最前線で仕事をしている時期に、子どもを授かり、子育てに専念するために退社しました。どんなに優秀な社員でも、会社にとって社員は代わりがききますが、子どもにとって「母親」の代わりはいません。世界で唯一の存在である母親として、子育てをするため退社し、「専業主婦」をしていました。私が退社した頃のソニーには育児制度も復職制度もまだなかったので、「これからの時代に女性を活用したいなら整備するべき」と会長、社長に訴えました。今は整備されたようですから、少しは私の意見も考慮してもらえたのかな、と思います。制度は未整備でも、子育てが一段落したら個別に復職の面接をしてくださるお約束でしたが、夫がアメリカへ転勤になって家族で赴任し、たくさんのいい経験をしました。ソニーでの仕事を続けていたら、家族揃っての赴任はなかったでしょう。私は「専業主婦」でいてよかった、と思いますし、子育ては素晴らしい仕事だと思っています。私自身は、3人の子どもの成長に合わせて、ボランティア活動をしたり、時間の拘束の少ない仕事に就いたり、常に社会との関わりを持っていたいと思いながら生活してきました。その全ての経験が、今の私を作ってくれたのだと思います。