環境局 H19年度決算特別委員会 質問事項
- 1.ごみの減量と資源化について
- 2.自然エネルギーの普及促進について
- 3.歩きたばこ禁止条例について
今年は、G8環境大臣会合が神戸で開催されたこともあり、行政だけではなく、市民の方々も地球環境問題について意識をされる機会が多くなったのではないかと感じています。
ごみの減量と資源化について
1)まず、マンション・集合住宅における指定袋制度導入の徹底についてお伺いいたします。
市民に新ルールを徹底していくためには、ごみの取り残しも辞さないという市長のお考えが本会議でも示されました。大規模マンションなどの集合住宅では、ごみ置き場にコンテナが設置されていたり、新しいマンションでは、24時間ごみを捨てることのできるごみドラムが設置されている場合が多くあります。コンテナ方式やドラム方式では、上にあって収集時に見える袋は別として、「取り残し」をすることは現実的にはできないのではないかと思います。指定袋を使うルールの徹底を図っていくことには心配があります。ある県営住宅では、周辺住民によるルール無視のごみ廃棄に悩み、これまでのコンテナ方式を変更して、一般的な収集に変更すると伺いました。マンション・集合住宅への指定袋制度周知徹底をどのように図ろうとしているのでしょうか。現実的には「取り残しをしてでも市民の意識付けを」ということが難しい収集箇所が数多くあるのではないかと思います。環境局としての方針をお伺いしたいと思います。2)次に、資源回収についてお伺いします。 代表質問でも取り上げましたが、更なるごみの減量・資源化には古紙類の回収が重要であると考えています。 先日、福祉環境委員会で視察した鎌倉市は、平成7年度に今後10年間でごみ焼却量を半減させるべく「ごみ半減計画」を策定し、平成9年から家庭系5分別収集から始めたそうですが、ごみの焼却量は年々減り、資源化率においては、人口10万人以上50万人未満の都市でもナンバーワンのリサイクル率で50%を超えています。現在は市民が20分別をし、処理場において31分別しています。市が毎年ごみ収集や処理にかかる経費をトン当たりの原価、またー世帯当たり原価、さらに一人当たり原価を発表して市民の啓発に努め、「市民が出しやすい方法」を多面的に工夫し、「ルールブック」もわかりやすく記載されていることが印象に残りました。 たとえば「雑紙」収集です。私は以前から「雑紙」はサイズがまちまちで縛りにくく面倒なので「燃えるごみ」に捨ててしまう人が多いと思っていました。このたび「雑紙」を「紐でしばって」出すと「ワケトンブック」に説明されています。トイレットペーパーの芯を、わざわざ「紐でしばって」集積所まで運ぶことを想像してください。鎌倉市では「袋に入れてガムテープなどで止めてあるものは雑紙とみなす」という収集方法をとっています。川崎市でも「紙袋に入れる」「包装紙で包む」「紐で結ぶ」のいずれかの方法で出すことになっています。神戸市の収集方法も「市民が出しやすい方法」を工夫して提案しなければ、市民の生活で「当たり前に分別」して「資源として排出」することが定着していきません。他都市も参考にして変更することで資源化を促進することができると思いますが、いかがでしょうか。
3)「古紙」収集も同じです。現在、各地域団体の活動として収集をされているため、回数にはばらつきがあるようですが、月1回の収集では、家に古新聞を置いておくのにも困り、収集日に収集場所に運ぶのも大変で、ついつい少しずつ「燃えるごみ」として出してしまう高齢者の方々が多くいらっしゃいます。以前私が住んでいた川崎市では、週に2回の収集がありました。1回は地域の公立小学校PTA、1回は公立中学校PTAの収集です。もちろん保護者であれば意識して協力しますが、地域の方々は子どもが当該学校に通っていなくても、どちらの曜日にでも誰でも出せるので古紙回収はすっかり地元に定着しました。住民は週2回の収集があれば、気軽に出せますし、PTAは資金が少しでも集まるので一石二鳥です。それに加えて、販売店が無償で各戸まで取りに来てくれるシステムもあり、どうしても自分で収集場所まで運べない方々は、この各戸収集を利用されていました。神戸市が新しいルールを徹底し、資源は資源として回収し、ごみを減らそうとしていくならば、収集回数を増やすことが必要です。地域活動資金として使える助成金を増やすことは予算の問題がありますが、税金が地域に還元されるということをもっと広報し、地域団体に収集回数を増やすよう呼びかけてはいかがでしょうか。「住民が出しやすい方法」を整備するために収集回数を増やし、資源化を促進しなくてはいけないと思いますが、局長のお考えをお伺いいたします。
4)次に、容器プラスチック回収についてお伺いいたします。 北区で先行実施されるということですが、全市実施にあたっては、大変かさばる容器プラスチックをどこに一時保管される計画なのかをお伺いいたします。さらに、月に2回の収集予定とのことですが、家庭で容器プラスチックを分別保管しておくスペースをどのように確保したらいいのか、家庭の主婦として頭がいたくなります。月に1回しか収集のない古新聞と、月2回収集の容器プラスチックの量を考えると、我が家の一角が「ごみ置き場」になってしまうようで、気が重くなります。主婦の感覚からしても分別効果から考えても、収集回数は増やす必要があると思いますが、改めてお伺いいたします。
5)最後に、クリーンステーションの新設・移設・廃止について、お伺いいたします。 クリーンステーションの設置については、地元自治会からの要望で行うことになっており、移設や廃止についても同じです。ところが、中央区の中心地では、自治会のない地域があり、不法投棄やマナー違反などのトラブルが多く発生しています。ごみ排出マナーが悪いステーションを移設したり、廃止したりするにあたっても支障をきたすことがでてきました。クリーンステーションの性格上、地元自治会との話し合いが重要なことは理解いたしますが、自治会がない地区で、環境局として柔軟な対応がご検討いただけないものでしょうか。また自治会がない地区での今回の新ルール徹底はどのように行っていかれるのでしょうか。美しい街・神戸を守る環境局のお考えをお聞かせください。
(再質問)
古新聞を紐で縛って出すということですが、新聞販売店からは「新聞回収用のビニール袋」が配られています。これは使えないのでしょうか?
自然エネルギーの普及促進について
太陽光発電など自然エネルギーの普及促進については、原油高騰、地球温暖化対策として7月に開催されたG8でも主要議題の一つとして取り上げられました。1)まず、自然エネルギー導入に関連した神戸市の環境保全資金等融資制度についてお伺いします。 制度案内のパンフレットですが、個人向けか事業者向けかも、パッと見てわかりません。このパンフレットがどこにおいてあるのかも知られていませんし、あまり人目を引くとも思えません。私も見たことがなく、今回資料を持ってきていただいて初めて目にしました。市民の環境問題への関心も高まっていると思いますが、せっかくの制度があっても知られていなければ意味がありませんし、普及促進のチャンスを逃すことになると思います。 市民向け「新エネ・省エネ機器導入資金融資事業」についは、過去5年間の融資実績をみても伸びが見られず、平成19年度融資件数はわずか5件で、1028万円という実績です。事業者向けの低公害車購入資金は、平成15年度には15件、22台だったものが、19年度には4件、4台の実績で、保全設備にいたっては、平成16年、18年、19年に各1件ずつという実績です。このような実績をみますと、本事業の目的としていた効果が出ているのかどうか、大変疑問を感じます。市民・事業者に向けての広報をどのようにしているのでしょうか。広報の問題だけではないかもしれませんが、環境局として本事業の現状をどのように分析し、今後どのように展開しようとお考えなのか、お考えをお伺いいたします。
2)また、先日の新聞報道にもありましたが、住宅用の太陽光発電システムや家庭用燃料電池の導入に対して、国においても今年度の補正予算に新規購入助成制度を盛り込まれるとのことです。G8環境大臣会合を開催した神戸として、自然エネルギー機器購入助成制度についても検討すべきであると思いますが、この点について局長のご見解をお伺いします。
3)神戸市の施設への自然エネルギーの導入については、本会議の代表質問でも取り上げられ、市長答弁の中で、必要電力の約3分の1を太陽光発電やクリーンセンター発電などで賄っている現状のご説明がありました。自然エネルギーを普及促進していくためには、たとえば、市の施設で使用電力を100%賄うといった目標を掲げて、もっと積極的に取り組んではいかがでしょうか。自然エネルギーは、災害時の非常電源として活用できるものでもあり、大変重要だと考えます。神戸市で現在進めている学校園の耐震化工事などの大規模改修に合わせ、太陽光発電の導入や雨水利用設備の設置していくなど積極的な施策展開は考えられないでしょうか。神戸のオリジナリティーと災害対策が同時に推進できると考えますが、いかがでしょうか。環境局だけの問題ではないと思いますが、局長のご見解をお伺いいたします。
4)また、「環境先進都市・神戸」のシンボルとして、ポートアイランドに吹く南西からの風を利用した風力発電を導入するのはいかがでしょうか。現在、神戸学院大学のキャンパスに2台の風力発電機が設置されており、その電力は「しおさい公園」の照明などに使われていると伺いました。横浜では環境学習の観点も含めて、シンボル的に大きな風力発電施設を作っています。たとえば大胆な発想かもしれませんが、先端短医療センターに集積している企業や「新中央市民病院」に供給する電力は、原則、自然エネルギーで賄うとか、次世代スーパーコンピューターに必要とされる膨大な電力を風力発電と太陽光発電で、水は雨水利用で賄うという方針は打ち出せないものでしょうか。視覚的には、シンボル的な風力発電を利用することで「環境先進都市・神戸」が内外に示せると思いますし、災害・緊急時の対応を含めたエネルギー供給を確保することができます。国内外で、市民ファンドなどをうまく活用し成功している例もあります。神戸市のビジョンをお聞かせください。
(再質問) 私自身、住宅メーカーに「太陽光発電の設置補助金制度はありません。」といわれて設置を断念した経験があります。確かに、神戸市には補助金制度はありませんでしたが、融資の利子補給制度はその時からありました。もし教えてもらっていれば、判断が変わったかもしれませんが、紹介もしてくれませんでした。住宅メーカーや銀行なども含め、もっとPRしてもらうように働きかけを行うべきではないでしょうか。たとえば、地元銀行であるみなと銀行や、地域金融機関の信用金庫・信用組合、住宅メーカーなどとタイアップしてキャンペーンするなど、取り組みを強化するべきであると考えますが、いかがでしょうか。
(要望) 先日、委員会視察の際に乗り換えに利用した小田急線小田原駅では、駅舎立替の際に屋根に太陽光発電設備を設置し、その発電量と現在の使用電力を駅利用者にわかるよう、電光掲示板で表示してありました。太陽光の明るく差し込む駅舎の中を歩きながら「自然エネルギーをこうやって活用しているのだ」と感じることができ、強く印象に残りました。 この小田原駅のように、市民にわかりやすい実例を「目に付きやすい場所」で上手に広報し、市民の意識啓発をはかるのは大切なことだと思います。神戸市でも、「市民の目に付く広報」による啓発を考えられないでしょうか。お伺いいたします。
3.歩きたばこ・ポイ捨て禁止条例について
1)歩きたばこ禁止条例について
「神戸市ポイ捨ておよび路上喫煙の防止に関する条例(歩きたばこ禁止条例)」の施行以来、当該地域においては効果が出ていると感じますが、一歩地域を外れると歩きたばこをしている人は多く、煙がもうもうと漂い受動喫煙を強いられます。路上喫煙禁止地区の拡大は今後の課題であり、すでにさまざまな意見が集まっていると思います。たとえば、JR三ノ宮駅構内は喫煙コーナー以外禁煙ですが、一歩出れば喫煙ができる地域になってしまっているがために、駅周辺は歩行喫煙が多く見られます。過料を徴収する三宮・元町地区だけが新聞報道などで取り上げられているため、神戸の歩きたばこ・ポイ捨て禁止エリアは三宮・元町地区だけのように思われているのではないかと心配しています。条例ではすでに努力義務とはいえ市内全域で禁止とされていることを考えますと、現在の路上喫煙禁止地域に駅周辺を加えていくことは、受動喫煙防止のためにも、市民啓発のためにも、そして国際観光都市神戸の推進のためにも必要なことだと考えますが、いかがでしょうか。局長のお考えをお伺いいたします。(要望) 努力義務とはいえ、市内全域で「路上喫煙・ポイ捨て禁止」であることをもっと積極的にPRしていただきたいと思います。 三宮駅北側のいわゆる「サンキタ通り」は「歩きたばこ」過料徴収地域には入っておらず、ポイ捨ても多く、国際観光都市神戸の顔としては恥ずかしい限りです。観光客を含めて多くの人が集まる場所であり、神戸のイメージに大きな影響のある場所なので、何とかきれいにしてイメージアップしたいものです。