病院会計 H19年度決算特別委員会 質問項目
- 1.独立行政法人のあり方について
- 3.がん治療の充実について
- 4.病院の質の向上について
- 1.地域医療機関との連携について
- 2.病院ボランティアスタッフについて
- 3.プライバシーに対する配慮について
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- (再質問)
- 職員の接遇向上について
1.独立行政法人のあり方について
1)まず、独立行政法人の経営についてお伺いいたします。
独立行政法人は、神戸市の100%出資で設立され、まず単年度黒字を目指すわけですが、万一、法人移行後に決算が赤字になった場合には、どのように補填をしていくのか、神戸市と独立行政法人との関係はどのようになるのか明らかにしていただきたいと思います。 また、独立行政法人化後は、経営責任がより明確化されるべきであると思いますが、経営責任をどのような形で問うのか、神戸市、そして評価委員会は、経営に関してどのような役割を担うのか、お伺いいたします。
2)次に、現職員の身分保障と職員の雇用計画についてお伺いいたします。 独立行政法人化後、現職員の勤務条件や身分保障はどのようになるのでしょうか。また、10年間は公益法人等派遣法による派遣も可能と伺っておりますが、10年後に法の適用が切れた後はどのようになるのでしょうか。
現在市民病院で勤務する看護師や職員が全員新病院で派遣職員として継続勤務したとしても、固有職員の新規採用による補充をうまく図り、派遣職員とともに雇用を確保していかなくては、将来的に人材確保の点で支障をきたすことになると思います。職員の雇用計画についてお伺いいたします。
(再質問)
1)議会の関与について (先ほどのご答弁の中には、「市税投入」というお話がありました。) 独立行政法人化すると、法人が独自で予算を組み事業を実施していくため、議会が関与しにくくなるのではないかという懸念がありますが、議会はどういうチェックができるのでしょうか。また、法人の経営状況について、どのような形で議会に報告があるのか、お聞かせください。
2)法人の役員について 法人の理事長は、経営も医療もわかる方がなるべきであると思いますが、今後どのように人選されるご計画でしょうか。また理事は、理事長が選任するとのことですが、理事にはどのような人材をお考えなのか、お伺いいたします。
2.中央市民病院に関する広報について
中央市民病院が移転することについて、中央区内の人でも知らない方がまだあります。神戸市の施策を市民に広くわかりやすく広報することは非常に重要だと思います。現在は、ホームページ、広報紙を利用しており、移転についてはそれ以外にもチラシも作成しているとのことでしたが、病院内で置いているだけとのお話でした。病院以外の場所にもチラシを置くなど、移転についての広報は強化するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
また同時に、中央市民病院の持っている機能、市民向けのサービスなどを紹介するとともに、新中央市民病院の今後果たして行くべき役割や移転の戦略的意義などについても、わかりやすく市民に広報していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
(再質問)
現病院の跡地利用などについての市民からのご質問は多いのですが、ポートアイランドの活性化の意味でも、市民の福祉・健康の中心である市民病院の跡地の意義ある活用という意味でも、有意義な活用を検討し、市民にも知らせていっていただきたいのですが、いかがでしょうか。
3.がん治療の充実について
1)中央市民病院は、平成19年1月に、神戸市内ではただ2箇所、神戸大学付属病院と共にがん診療連携拠点病院に指定されました。神戸市内でのがん診療の中心となるべき責務を担うことになる新中央市民病院では、手術、化学療法、放射線治療などさまざまながん治療に関して、最先端の治療を市民が受けられることをめざすべきだとだと考えますが、いかがでしょうか。
2)がん診療連携拠点病院にはがん相談センターを設けることが定められています。すでに中央市民病院でもがん相談センターが設けられていますが、さらに充実を図り、さまざまな治療方法の提案を行うとともに、患者が治療方法を選択していく際にも、患者の立場にたって相談に乗り、選択を親身に手伝っていくことができるような体制作りをしていかなくてはいけないと思いますが、今後の計画をお聞かせください。
3) 特に、緩和ケアについては、すでに治療の中にさまざまな形で組み込まれていると伺っておりますが、さらなる充実を図っていくべきだと思います。これは、緩和ケア専門病床を中央市民病院に設けるということではなく、スタッフの人材育成ということです。緩和ケアは、患者やその家族に対する、心身ともの痛みのケア、です。がんの終末期で大変な痛みに襲われたとしても、緩和ケアを受けることができ、心豊かに最期のときを迎えられれば、というのは誰でもが持つ願いではないでしょうか。患者や家族に専門知識を持って向き合ってくれる質の高いスタッフがいないとできないことですから、そのためには人材育成が重要です。緩和ケアの専門知識を持った質の高い人材育成についての今後の方針をお伺いいたします。
4.病院の質の向上について
病院の質は、医療技術の高さと、患者サービスの質で測られると思います。多少医療費が高くても質の高い病院にかかりたいと思う人は多いのではないでしょうか。患者サービスの充実が、病院の質の向上につながり、良い評判を生み、ひいては収益の改善にもつながることは確かです。もちろん、市民病院ですから、市民のための病院であることを忘れず、これまで以上に患者の立場を重視し、患者サービスの充実をはかることで、「神戸の市民病院にかかれば安心だ」という評判を作り、国際的な競争力をも持てる病院をめざしたいものです。そうした観点から、数点お伺いいたします。1)まず、地域医療機関との連携について、お伺いします。 本来、三次救急病院と地域医療機関は果たすべき役割が違います。それぞれの役割を踏まえたうえで、自分の住んでいる地域の「かかりつけ」の医療機関と、手術もできるような大病院と緊密な連携が取れているかどうかは、患者にとっての安心感に大いに影響があります。「かかりつけ」の医療機関では手におえない病気、手術などの場合には、紹介状を持って病院にかかり、病院ならではの治療を終えたら、「かかりつけ」の医療機関のところに戻ってくるというのが、あるべき姿だろうと思います。 紹介状をもらって大病院にかかるときは割合に問題がないのですが、地域医療機関に逆紹介するときには、ともすれば「病院を放り出された」と感じてしまう患者が多いと聞きます。そういう印象を患者が持たないように、患者への十分な説明と退院後を含めたフォローが大切だと思いますが、現状の取り組みと今後の方針をお伺いします。
2) 次に、病院ボランティアスタッフについてお伺いします。 病院の中では多くのボランティアスタッフが活躍してくださっています。しかしながら、日本の社会の中では、「ボランティア」という地位がまだ確立されていないために、職員との兼ね合いが難しかったり、患者やその家族からも認知されにくい場合があったりするようです。より良い病院にするためには、患者やその家族に対し、心のこもった対応ができるボランティアスタッフの存在は大変重要です。私たちもアメリカで入院した際に、大変温かい心で接してくれるボランティアに出会ってうれしかった経験があります。患者がそのように感じることができるために、ボランティアスタッフが病院内で果たす役割について、認知度を上げるような工夫をされているのかどうか、お伺いいたします。また、ボランティアスタッフのレベルアップ、意識啓発のためには、研修の更なる充実が必要だと思いますが、いかがでしょうか。 また、神戸市は在住外国人も多い上に観光客も多い国際都市です。日本語で治療を受けることが不自由な患者に対する配慮も必要であり、通訳のボランティアなども必要ではないでしょうか。通訳に関する現状の取り組みと今後の方針についてもお伺いいたします。
3)次に、プライバシーに対する配慮について、お伺いします。 現在の市民病院では、隣の診察室でのやり取りが聞こえました。こちらが聞こえるということは、お隣にも自分の診察内容が聞こえてしまうのだということなので、不愉快な思いをしました。こういった状況は市民病院だけではありません。プライバシーに関する配慮が十分といえないように思いますが、現状認識についてお伺いいたします。 また、新中央市民病院では、今まで以上に患者の視点に立ち、プライバシーに配慮した運営にしてほしいと思いますが、計画についてもあわせてお伺いいたします。
(再質問)
4)職員の接遇向上について
先ほど、ボランティアスタッフの研修についてお話をいただきましたが、職員についても同じです。患者に対する職員の対応が良いと、「良い病院だ」という評判は口コミでも広まり、患者は増えてくるものだと思います。市民病院でも、意見箱を設置したり、患者満足度調査などを行っていると聞いていますが、医師、看護師を含めた職員の接遇向上については、患者の意見などをどのように取り入れ、活かしているのかお伺いいたします。
5.「依存症治療」に関する社会教育について
日本はWHO(世界保健機関)のたばこ規制枠組み条約の締約国のひとつであり、健康増進法において、受動喫煙の防止対策を進めることも定められていますが、日本では、喫煙は「嗜好」「習慣」だという意識がまだまだ強いと思います。しかし、喫煙の習慣をやめることができないというのは「ニコチン依存症」であり、治療が必要な病気であるということは、先進国では認識が高まっています。「アルコール依存症」も同様の病気で、本人と家族を含めての治療が必要だとされ、いろいろなサポート体制が整えられてきています。 ニコチンやアルコールは依存症になりやすいことから、世界の潮流としては、麻薬の一種であるとして、その害についての社会教育を幼少期から行い、学校でも教えているようですが、日本では、その認識を持って治療をしようとする人はまだ少ないと思います。 市民病院では、「禁煙外来」や「禁煙教室」「アルコール症教室」をすでに実施していますが、さらに取り組みを強化し、市民に対して「依存症治療」に関する社会教育の一端を担っていく責務があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
(要望)
1)移転後のポートライナーの駅名について
現在の「市民病院前」という駅名は利用者には大変わかりやすいのですが、移転後はどうするのでしょうか。現在の「先端医療センター前」という駅名では、新中央市民病院があることがわかりにくいと思います。今後、利用する市民の立場に立って、新交通とも駅名について検討をしていただきたいと思います。
2)新中央市民病院における災害時の対応と環境対策について
震災時の反省も踏まえ、災害時の対応は万全にしておくべきだと考えます。
また、環境局への質疑の中でも取り上げましたが、「環境対策に積極的に取り組んでいる神戸市」という姿勢を内外に広く示すためにも、新中央市民病院では、太陽光発電や雨水利用などの自然エネルギーの活用を推進していただきたいと思います。
3) 緩和ケアの人材育成について
緩和ケアをしているホスピスの視察に伺ったときの、スタッフの温かさがとても印象に残っています。人生最期の何日かをそこで過ごされている方々の本当に穏やかな笑顔が忘れられません。周りで見守る人の心がご本人の心を穏やかにさせているのだと感じました。 しかしながら、ホスピスの採算としては大幅赤字だというお話でした。
患者と家族の心身とものケアができる人材の育成ということは、効率性とは相反する面はあるかもしれませんが、そういう目に見えないけれども人間の心に響く部分が充実しているかどうかで、病院の質が量られるのではないかと思います。新中央市民病院でがんの治療を受けられれば安心だ、という評判を作っていっていただきたいと思います。