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発言記録

 首都圏に比べると「神戸は元気がない」と言われますが、神戸には人々が集まりたいと思う魅力や、今後も発展し続ける基礎的条件はそろっていると思います。産業、教育・研究機関、京阪神というきわめて強力な後背地、物流インフラなどのその基礎的条件を、私達がいかに活用できるか、が神戸を元気にする鍵です。
 人も物も技術も企業も、もっと「神戸に呼び込む」施策を今打ち出さなければならないという観点から、本日は産学官連携に重点をおいて6点質問をさせていただきます。
民間人材を活用したシティーセールスについて

 先日、特別委員会の視察で宇和島市を訪問しました。宇和島市では、地域総合整備財団通称ふるさと財団の地域再生事業の採択を受け、全日空から客室乗務員の女性が地域再生マネージャーとして派遣されています。地元産の真珠のPRや、段々畑の再整備などに奔走し、地域ブランドの発掘・発信、観光資源の拡大に尽力しておられました。彼女は地域住民と話し合いながら地域課題の抽出を図っていく中で、「まちづくり女性会議」を立ち上げました。事業の一つとして男女を問わず普段から真珠を身につけようという「パールビズ運動」を推進しており、市職員着用率75%、民間企業にも広がりを見せています。
 神戸にも、真珠加工業やケミカルシューズの他、全国有数の地場産業がありますが、なかなか効果的な発信ができていないような気がします。地場産業と行政をつなぐ民間人材の力を得て、地域特産品や神戸のまちの魅力を、神戸市が対外的にも市民にもPRしていくことで、これまでにない経済波及効果を生み出していく可能性があるのではないかと考えますが、そのような観点で検討されたことはあるのでしょうか。お伺いいたします。

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官民協働で進める商店街の活性化について

 松山市全体を「屋根のない博物館」に見立てるという構想を持って、観光客の松山市中心市街地の滞留時間を長くしようという取り組みを伺いました。
横浜の元町商店街でも見られますが、この松山市の商店街では車がスピードを出して通り抜けることを防ぐような工夫をし、これに合わせて、歩道、車道、電柱の地中化などデザインを工夫し雰囲気作りをした結果、歩行者でにぎわうようになり、新規開店も進んでおり、地元商店街と行政が協働で新しいまちづくりを進めた成果です。
このように元気な商店街がある一方で、神戸市では高齢化もあって振興組合がほとんど機能していないという商店街もあります。商店街や小売市場はそのまちのコミュニティーの中心としてこれまでに果たしてきた大切な役割があり、今後も長く住み続けたいまちを作っていくためには欠かせない都市機能です。神戸市でも商店街の意向を聞きながら、より積極的に産業振興局が関与して、まちの中心である商店街の活性化に取り組むべきであると考えますが、当局の見解をお伺いいたします。

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中国市場への販路拡大について

 全世界が注目している今こそ、上海市場へ積極的に神戸の商品なり製品を売り込んでいくことが重要と考えますが、いかがでしょうか。上海万博に合わせて、上海市内で神戸物産展や企業向け商談会を展開していくことは、官民協働で行える大変効果的な販路拡大戦略であると考えますが、当局の見解をお伺いいたします。

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ファッション美術館について

 ファッション美術館は、「ファッションに関する産業および文化の振興を図ることを目的に、人材育成、情報発信、集客などの機能を併せ持つ公立としては全国唯一の施設として設立された美術館」ですから、集客人数だけで評価をするのではなく、この美術館の果たすべき役割に対する貢献度で評価する必要があります。「デザイン都市」神戸のファッション美術館の運営にあたって、館長やアドバイザリーボードメンバー、ファッション業界の意見をどのように反映させて、連携や事業展開を図っているのか、またファッション業界に対して美術館がどのような役割を果たすことを目指しているのか、お伺いいたします。
 現在開催中の「モスリン」展示では、産学官連携であの有名なナポレオンの戴冠式の衣装などを再現した展示がされていました。美術館が収蔵している資料を長年かかって大学の協力を得て研究し、協力企業が制作にあたったと説明にありました。このように美術館の有する財産をより有効に活用し、次世代のデザイナーなど人材育成の拠点、産業の発展の拠点として活用できないものかと考えますが、当局の見解をお伺いいたします。
 また、大阪市では、発色がよく美術品にもやさしく節電効果もあるLED照明に全面切り替えをすると発表されました。ロウソクの光や自然光など最適の色合いを作り出すこともできるとのことです。美術収蔵品の保存にも適し、環境に配慮した施策として神戸市でも検討していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

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広域的な大学との連携による中小企業の活性化について

 リエゾンネットワークは大変すばらしい取り組みであり、中小企業と大学や支援機関が連携することで、新たな製品開発や新たな付加価値を生み出すことが可能となっていますが、より広域的な連携、特に関西圏全体なども視野に入れて、中小企業の技術力の高度化や活性化を促していくべきではないかと考えます。
大阪の大学の理系学部の先生や技術者の方々から、神戸市のリエゾンネットワークや医療産業都市構想は大変興味深いけれど、どうやって連携をとっていけばよいのかがわからない、あるいは神戸の企業との連携は近くて遠い、といったご意見をいただきました。そこで、市外、県外の企業や大学関係者が、神戸市での技術的な連携を模索しているような場合に、適切に誘導していただけるようなワンストップの窓口を神戸市に設けるといった工夫が必要ではないかと考えますが、当局の見解をお伺いいたします。

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神戸RT構想の今後の方向性と神戸らしい戦略について

 神戸RT構想の推進は、産学官連携の代表的な取り組みではないかと考えていますが、今回の予算では、旧二葉小学校跡地へ「(仮称)神戸ロボット工房」として機能移転することが計画されていますが、具体的にはどのようなラボになるのでしょうか。神戸ラボがスタートする今が、他都市にと違う神戸らしい戦略を打ち出していくいいチャンスです。技術は持っていても景気回復がなかなか見込めない経済状況のなか、市内企業とNIRO, IRSなどとの連携を積極的に進め、開発を止めずに進めていくことが必要です。
 注目されているレスキュー用の小型探査ロボットはそろそろ事業化が見えてくる時期ではないかと期待しています。まず一番に神戸市消防局で採用し、全国自治体消防への配備を目指していく、また、消防局とも連携して全国から積極的に視察を受け入れ、神戸の取り組みを発信することで、神戸への人材集積をねらう戦略もとることができると思います。
 このRT分野については、研究開発から試作、実用化までの課題に加え、製品化が近付けばマーケティングや営業が不可欠になります。今後の神戸RT構想の方向性について、神戸らしい戦略も合わせて、局長の思いをお聞かせ願いたいと思います。

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