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発言記録

 私は民主党神戸市会議員団を代表して、人見議員とともに市長ならびに当局に質問させていただきます。
平成23年度決算は、市税収入が3年ぶりに増収に転じたことに加え、行財政改革の取り組みの成果がでて、阪神淡路大震災以来、初めて単年度黒字を確保しました。しかしながら、これまで市内経済をけん引してきた主要産業は、円高やデフレ、世界経済の失速など、さまざまな影響を受けて苦しんでおり、依然として厳しい状況にあるといえます。阪神淡路大震災後に、新しい主要産業の育成を目標の柱に掲げてスタートした「医療産業都市構想」は、山中教授のiPS細胞が臨床研究を申請する段階になり、構想が具体化しつつありますが、雇用拡大できるまでには至っていません。さらには、少子高齢化の波を受けて、社会保障費の増加は避けられません。
 行財政改革のこれまでの実績については、大いに評価するところですが、今後の神戸の発展を考える時、行財政改革ばかりに目を向けても、また、内向きにばかりとらえていても、神戸の成長の芽を生み育てることはできません。
そこで今必要なのは、世界の中の神戸を意識した視点です。急激に高齢化の進む日本が高齢化社会のモデルとなり得れば、今まで見過ごされてきたものが強みになり、産業の基盤にもなり得る可能性を秘めています。ましてや神戸は、高度成長で物質的な豊かさばかりを追っていた時代に、いち早く福祉の街の理想を追い求め、「しあわせの村」を創造した自治体です。自信を持ってもう一度、世界の中の神戸について考え、検証してみてはどうでしょうか。足りないものは直ちに補い、誇れるものは磨きをかけ、アジアの中で、世界の中での競争力を培っていかなければなりません。世界との競争や、世界との交流、世界の中の神戸に目を向けるという視点から、以下数点質問いたします。
姉妹都市・友好都市・親善協力都市のあり方について
 神戸市は、日本で初めて姉妹都市提携を天津市との間で結んだことを皮切りに、多くの海外の都市と姉妹都市・友好都市・親善協力都市の提携をしてきました。これは他都市に先駆けての先進的な取り組みであり、国際都市神戸の発展に大いに寄与してきたと言えます。しかしこれからの時代は、仁川、大邱との提携などのように、将来的な展望をもってASEAN諸国や、インドなどとの新たな交流都市を模索するべき時期にきているのではないでしょうか。
新たな提携形態を模索するとともに、これまでの提携都市とは、それぞれの都市の特性に応じ、お互いの発展に資する提携となるよう個々の目的を明確にするなど、そのあり方を再構築する時期にきていると考えますが、見解をお伺いします。
また、阪神淡路大震災以降中断したままである神戸市職員の海外派遣についても再開すべきであると思います。提携都市との人事交流を積極的に行い、神戸市職員の視野を広げスキルアップを図り、国際的視野をもった人材育成を図っていくべきであると考えますが、併せて見解をお伺いします。
(再質問1)各局事業の再点検について
提携がより有意義なものになるよう、国際交流、国際貢献という視点から、あらゆる局の事業の再点検を行い、提携都市と神戸市の技術やノウハウの提携手法を模索していくべきであると考えますが、見解をお伺いいたします。
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医療産業都市の推進について
 医療産業都市の事業進展は、この14年間、最先端の医療施設、研究施設、企業の誘致で成果をあげてきました。再生医療がまさに花開こうとしていることや、「京」と産業との結びつきが目に見えてきたことなど、急速な広がりを見せており、日本国内だけではなく世界的にも大いに注目されていることは大変嬉しいことです。一方で、研究は活発に行われているものの、産業化や雇用拡大など神戸経済の発展にはまだまだ結びついているとは言い難いのが現状です。今後、どのように具体的に道をつけて推進していくのか、見解をお伺いいたします。
また、医療産業都市のさらなる推進のためには、それを担う人材が重要です。医療機関、研究機関、企業の誘致を進める中で培ったノウハウ継承を含めた行政内部での人材育成・人員増強や、医療・薬学・バイオ関係や医療機器開発など専門分野に精通した民間人材の登用などを今しておかなくてはなりません。医療産業都市についての市民の認知度は少しずつ上がってきているとはいえ、より広く市民理解を得るための広報活動も必要です。
将来に向けたプロジェクト推進の原動力となる人材面での基盤強化が必要不可欠だと考えますが、見解をお伺いいたします。
(再質問2)ポートアイランドの総合交通体系について
ポートアイランドへの大学進出、医療産業都市の進展に併せてのポートアイランド2期への企業立地の進捗や神戸空港の開港などにより、ポートライナーの混雑状況は深刻な状況です。
6年前の3大学開設時から何度も取り上げさせていただいていますが、大学生が約8500人、医療産業都市には218社が進出し4900人が働いているという現状は、すでに昼間人口は夜間人口15000人に比べて約1万人は多いという状況で、通勤通学時間帯のピーク時には住民は電車に乗ることもできないことがあります。
  神戸市では、医療産業都市へのさらなる企業誘致を進めていますが、これ以上の過剰な混雑は企業誘致やMICE誘致にも不利に働きかねません。また神戸空港利用者や中央市民病院をはじめとする病院利用者の方々にも大変な負荷となる可能性があり、まさに「待ったなし」の状況です。
中央市民病院向けに三宮駅と病院を結ぶ直通バスの運行は一つの解決方法だと思いますが、抜本的な対策も含め混雑緩和をどのように進めるのか、ポートアイランドの総合交通体系について、見解をお伺いいたします。
(再質問3)受け入れ態勢整備について
医療産業都市のさらなる発展のためには、ポートアイランド内に限ったことではありませんが、外国を含めて神戸以外からの研究者が移住してきやすい環境を神戸市として整えることが必要不可欠であると思います。市営住宅の転活用などを含め、研究者、医療従事者、患者、家族達の住まい、滞在先を用意し、受け入れ態勢を整えることも考えなければならないと思います。住居、食事や買い物をする場所、郵便局、銀行、託児所など、快適に住み働ける都市環境を再整備し、緑や水を配した憩い楽しめる環境があれば、多くの人が行き交う活気のある街になり、さらなる企業・研究者の集積が進んでいくと考えます。見解をお伺いします。
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「デザイン都市・神戸」の推進について
 「デザイン都市・神戸」は、先日のデザインクリエイティブセンターの開所と共に、市民の前に具現化されてきつつありますが、まだまだ市民に理解されているとは言い難く、その推進に当たっては市民が置き去りになっているのではないかと感じます。
「KIITO」を含めた都心ウォータ―フロントのエリアは、神戸の象徴的なエリアです。この地域を東西に連続性のある魅力ある拠点としていくには、各地域の特性を活かしつつ、「光の都」神戸でも提案してきたように統一感のある光の道づくりや、市民や観光客が散策できるような幅の広い遊歩道、自転車専用道路など統一性を持った整備が必要です。「デザイン都市・神戸」の視点で、統一性のある魅力ある街づくりをめざす再整備の計画を具体的に示し、デザイン都市への市民理解を得ていくことで、市民とともに将来の展開を推進しなければならないと思います。見解をお伺いいたします。
(再質問4)アクセスの確保について
「デザイン都市・神戸」の視点をもって都心ウォーターフロントエリアの再整備を行うに当たっては、都心部との南北アクセスの確保や、沿岸部東西の動線確保が大変重要だと思います。動線の確保に向けては、シティーループの新ルート展開や、観光の目玉となるようなLRTの運行など、具体的な検討を進めるべきではないかと考えますが、見解をお伺いいたします。
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国際都市神戸としての観光振興について
神戸は1981年に全国に先駆けてコンベンションセンターを作り、コンベンション都市の先がけとして重要な役割を果たしてきました。コンベンションを含めたMICEは、直接経費の消費のみならず波及的経済効果も大きく、観光振興も含め大変裾野の広い産業です。医療産業都市に多くの医療関連企業が集積しつつある今、MICEを重要産業と位置づけ、誘致にしっかり取り組んでいくことは神戸の未来にとって欠かせない施策です。会議や展示会だけではなく、神戸マラソンなどスポーツイベントもコンベンションの一つで、大きな経済効果をもたらすことは、応援に参加した多くの市民も実感しています。
世界各国でコンベンションの誘致競争が厳しくなっており、激化する都市間競争に勝ち抜くためには、今あるコンベンション施設では、太刀打ちできません。国際展示場、国際会議場、ポートアイランドホールなどの施設は老朽化が著しく、利用者のニーズにあった施設とはいえません。横浜をはじめ、京都や大阪など他都市では施設の再整備が進んでいます。行財政改革で無駄を廃し、市債の繰上げ返済などに努力を重ねてきている神戸市の姿勢は大いに評価しておりますが、将来を見据えた施策への投資も必要な時期に来ているのではないでしょうか。
この夏神戸に寄港した「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」の欧米系の乗船客から三宮や元町で「無線LANはあるか」と何度も尋ねられました。昨今、外国の都市では無線LANが整備されていることが多いので、外国人観光客は神戸でも同様にスマートフォンを利用して、無線LANでネットにつないで観光情報を得たり、地図を確認したり、無料電話をかけたりしようとしていたようです。
「京」コンピュータの本格的稼働や医療産業都市のさらなる発展を見据えたとき、今後ますます増えるであろう海外からの来訪者にとっては、無線LANは今や当然の都市インフラです。
国際都市神戸として、国内外から人を呼び込めるようMICE誘致、客船誘致はさらに進めるべきであり、「光の都」神戸の推進を含む滞在型観光の推進は大切です。そのためには、コンベンションを効率的に開催できるセンターの構築や、街中での無線LAN整備など、国際競争力をもった都市の総合力を高める必要があると思いますが、見解をお伺いします。
(再質問5)ソフト面の充実について
観光施策としては、ハード面の整備だけでは不十分です。ソフト面の整備としては、神戸市の観光情報ホームページである「Feel KOBE」のタイムリーな更新をすることに併せて、スマートフォンでも検索しやすいようにバージョンアップする必要があるのではないでしょうか。
金沢市では、産学官連携という意味からも有効だと考え、アプリケーション開発に賞金を出して募集していました。神戸でも独自アプリを募集するなどソフト・ハード両面から積極的に推進していくことが必要ではないかと考えますが、見解をお伺いいたします。

世界の状況をみると、都市における無線LANは当然のインフラであり、今後ますますの技術発展によって新たな情報インフラも必要となってくることも視野に入れておかなければならないのではないでしょうか。
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【まとめ】
統一感のあるデザインで整えられた街、外国の方を市民が抵抗なく外国で話しかけ温かく迎えることができるような街、誰でも独り歩きできるような親切な案内や表示があるユニバーサルデザインの街、国内外から神戸の知財を求めて人が集まる活気ある街、私はそんな神戸の街を目指していきたいと思います。
 神戸の未来を担う人材は「たから」です。ファッション都市宣言をした神戸は1990年から新人デザイナー達のコンテストを実施し、優秀な人材を毎年ヨーロッパ留学に送り出してきたと伺っています。22年も続き今年も開催されるそのコンテストは世界に通用する人材を育ててきたと思います。「人材を育てる」という意味で神戸は先見性があったのだと誇らしい気持ちになります。
 「デザイン都市・神戸」を謳うならそれを担い世界に通用する人材を発掘し育てましょう。「医療産業都市」を担う人材に神戸に集まってもらいましょう。

神戸市職員も国際的な視野を持って神戸の都市戦略を推進していってほしいと思います。神戸の未来を担う成長の芽をどう生み育てるか、世界の中の神戸という視点で来年度の予算編成に取り組んでいただきたいと要望をして私の質問を終わります。
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