2016年度決算特別委員会 環境局 2015.10.2 更新
水素エネルギーの利活用について
(1)我が会派では、7月に九州大学に水素エネルギーについて視察に伺い、水素化―MIRAIに試乗もさせていただきました。委員会視察も行かれたようです。
先日、神戸市内で環境貢献都市神戸についての講演の後に拝見した水素カーMIRAIは魅力的で、一緒に見学した多くの市民の方々も興味津津でした。
水素を満タンに充填すると650kmは走行できるとのことで、実際に使える車だなあと感じました。ただ、現在、神戸より西にあるステーションは山口なので、車が山口を出発して神戸に戻ってきて活動しようとすると、神戸には水素ステーションがないので、神戸を通り越して尼崎で水素を充填せざるを得ません。環境貢献都市神戸としては、残念な状況と言わざるをえません。水素カー導入を決めた時点で、水素ステーションも設置すべきだったのではないでしょうか。
2016年度にはこうべ環境未来館に、太陽光と風力で得た電力を動力として使って水素を作る「スマート水素ステーション」を設置する予定だと伺いました。神戸市は2030年に市内でFCV10,000台、水素ステーション7基設置という目標を掲げました。FCV普及には、民間事業者による水素ステーションの設置が欠かせません。水素ステーションをどのようなタイムスケジュールで設置を進めていくのか、市内に7基で十分なのか、また民間事業者とどのように協力して設置を増やしていくのか、局長のお考えをお伺いいたします。
(2)残念ながら、水素については、「安全性に不安がある」や「爆発など怖くはないか」と心配される市民がまだまだ多く、水素社会の実現には、市民の不安を払拭していくことが欠かせないように感じます。神戸市として、将来の水素エネルギー活用を視野に入れると、水素の安全性を積極的に広報していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。局長のお考えをお伺いいたします。
(要望)
公用車として導入したMIRAIは、環境啓発の有効なツールとして、もっと積極的に広報に活用していくべきだと考えます。イベント時の展示だけではなく、市長がMIRAIで会場に乗り付けるなど、大いに活用すべきだと思います。安全性を示すという観点からは、市民の目に多く触れる機会を作り、理解を深めることが重要です。MIRAIのような乗用車だけでなく、水素バスや水素フォークリフトなど商用車へ普及していくように神戸市として民間に働きかけていくことも今後必要だと考えます。
太陽光発電パネルについて
様々な種類の再生可能エネルギーをうまくミックスしていくことは環境貢献都市神戸として大変重要なことですし、太陽光発電システムについては、私も導入可能な施設や場所に設置を推進していくことは大切だと思っています。
神戸市では、太陽光発電システムの設置補助やグリーンニューディール基金を活用した太陽光発電設備の導入・促進に取り組んでいます。しかし設置実績が増えているということは、近い将来、太陽光発電パネルが寿命・更新時期を迎え、廃棄物として大量発生してくるのではないかと心配になります。
制度の大枠を決めるのは国だと思いますが、さらなる再生可能エネルギー普及の観点からも、将来を見据え、今から太陽光発電パネルを廃棄物としないようなリサイクルシステムの構築や、不法投棄とならないような対応策を検討しておく必要があると考えますが、神戸市としての見解をお伺いいたします。
びんの資源化率向上について
「びん」は透明、青色と緑色、茶色の3種類に分ければ資源化できますが、混ぜてしまうと資源化することができません。
「びん」の資源化率向上のため、資源リサイクルセンターでのライン手選別やびんの残渣を外部処理する実験など、出口側の対策が始まったようです。
私は転勤族の主婦として、国内外のいろいろな自治体で生活をしてきましたが、リサイクルの取り組み方は自治体によってずいぶん違っています。他都市では、「缶・びん・ペットボトル」をそれぞれ分けて収集している都市が多く「びん」は色ごとに収集している都市もありました。せっかくスタートした神戸市の「缶・びん・ペットボトル」収集ですが、全て一緒にパッカー車で収集し、全市から効率よく収集するために落合の中継地で積み替え、資源リサイクルセンターではピット方式で投げ入れられてしまうため、「びん」は結局多くが割れてしまい、埋め立てるしかない状況です。今の収集の流れでは、「資源化される」と信じて分別して出している市民の方々の期待に応えられていません。
「缶・ペットボトル」は選別機で現状うまく分別して資源化できています。「びん」も全国レベルと比べても大変低い資源化率向上を考えることが必要です。
そのためには、まず「びん」を「缶・ペットボトル」と分け、びんが割れないような収集方法の検討も必要だと思います。ごみステーションごとの収集方法の違い、対応できる車両の確保、資源リサイクルセンターまでの運搬距離を克服するために中継地を設けている現在のルートの分散化に向けての検討など、課題は多くあります。
また、資源の集まってくる資源リサイクルセンターについては処理量の負担軽減対策、老朽化対策、危機管理対策などから分散化も検討されていると伺っています。びんの色の違いを選別する高い能力を持った選別機もあるようです。分散化検討の際に、新しい選別機導入も視野に入れてはいかがでしょうか。
びんの資源化率向上について、どのようにお考えか、局長にお伺いします。
(要望)
以前は、多くの人が家に集まるお正月やお盆には、近所の酒屋さんから冷えたビールをケースで配達してもらい、空になったらケースごと返却していました。回収されたびんがそのままビール瓶として20回も利用されるという業界全体での取り組みがあってこそのリサイクルで、他のびんを同じようにはできません。このリターナブル瓶にはビールや牛乳の瓶があり、市民にとってはわかりやすいリサイクルの例だと思います。
私達が日常生活で利用しているびんは、色、形、大きさも多種多様ですから全く違う資源化を考えなければなりません。びんを3色に分けて家庭ごとに貯めておいて収集所に出し、色分けされた状態でリサイクルセンターまで運ぶことができれば理想的だと思います。様々な課題があるとは思いますが、まず手選別導入による資源化率向上に向けて取り組むとのことですから、今後とも前向きに推進してくださるようお願いいたします。
ごみ収集の高齢化社会への対応について
今後市民の高齢化することが予想される神戸市において、ごみ収集業務をどのように進めていくかについて、お伺いいたします。
希望者は一定の条件を満たせば自宅まで収集に来てくれる「ひまわり収集」は、現在利用されている方々から、大変ありがたいというお声をいただいています。高齢化社会が進展していく中で「ひまわり収集」の役割は、ごみ収集だけではなく、見守りという観点からもますます重要になってくると考えます。
高齢化に伴い希望者、対象者は増加していくことが予想されますが、手が回らないから断らざるを得ないといったことのないよう、地域ごとの高齢者人口の推移などを分析し、しっかり事前に計画的に対策を講じておく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
(再質問①)
テーブルなどの大型ごみを出す場合、自宅から指定場所まで搬出することが難しい場合があります。「ひまわり収集」の方は一定の条件を満たせば、運び出しをお手伝いいただいているようですが、一般の高齢者の方はそれがお願いできません。
民間で有料サービスを探すことは可能でしょうが、昨今問題のある業者も多いようで、依頼するのに市民の不安もあります。神戸市で「ひまわり収集」で実施している大型ごみの持ち出しサービスのような、申込時に指定された場所まで持ち出す搬出サービスなどを今後検討できないでしょうか。