神戸市では、ユニバーサル歩道整備事業として、波打ち歩道の解消に取り組んでいます。これは市民が歩きやすいように整備が進められているものだと理解をしています。私の両親が利用しているバスの通り道にあたる垂水区霞ヶ丘では、昨年車道と段差のあった歩道を整備され、車道と歩道の段差を解消する工事がされたのですが、歩道面が斜めになってしまい、かえって歩きにくくなってしまいました。もともと歩道の幅が狭かったので、車道との段差を解消しようとして、傾斜がきつくなってしまったのかもしれませんが、あまり傾斜がきついと70代の私の両親は歩きづらいようですし、車椅子の方などは車椅子が傾いてしまうので、通りにくいように思われます。そのうえ、歩道と車道の段差がなくなってしまったために、横を通るバスや車がいつ歩道に近づいてくるかと心配だという声を聞きました。ユニバーサル歩道整備にあたっての安全確保の考え方や、整備の仕方については基準がありますが、その地域の特性を反映した対応が必要だと思います。
また、歩道橋のバリアフリー化についても、ユニバーサルな考え方が必要になります。車社会の到来を見越して、一時期、横断歩道を廃止してまで歩道橋が日本中に建設されました。車の通行を優先する時代には、それは大変意味のあることだったのでしょうが、この高齢化の時代には、時代の移り変わりにあったユニバーサルなまちづくりが必要とされていると考えます。道橋の階段をあがることに負担を感じる高齢者は多く、このため横断歩道もない場所で車道を横断され、車両にとっても、危険を感じることがよくあります。私も乳母車を押して歩いている時に、荷物と子どもと乳母車、どうしようかと、立ち往生してしまったことが何度もあります。
中央区加納町3丁目の交差点において、東側に南北の横断歩道が設置され、歩道橋を渡らないでも済むようになり、高齢者や親子連れをはじめ、全ての人にやさしいまちづくりが始まってきたと感じました。歩道橋のバリアフリー化としては、阪神岩屋駅南側の国道2号線を横断する歩道橋のようにエレベーターが設置できることが望ましいでしょうが、全ての歩道橋にエレベーターを設置することは難しいと思います。エレベーターの設置ができない歩道橋については、いっそ歩道橋をなくし横断歩道を設置できるよう、警察などとの関係機関と調整を進め、より一層安心な、高齢者をはじめ全ての人にやさしいまちづくりを進めていくべきであると考えます。
その地域に住む人達にとって、どんな歩道が、どんな歩道橋が、本当に「住む人にやさしい」のか、どこに横断歩道があれば「住む人の安全を守れる」のか、時代にあわせ、地域にあわせ、しっかり考えた対応をしていなくてはいけないと思います。